» 2010 » 5月のブログ記事

 よく日本は島国で日本人は島国根性だから駄目だ、といった意見を耳にする。

 一見ふむふむと納得してしまいそうになる理論だが、その島国根性とは何か、と説明を求めると答えられない輩も多い。そんな困った連中のために世界で最も神に近い男、内田貴洋が正しい島国根性の解釈について述べる。

 島国というのは地政学上、基本的に外国の文化が一方的に入ってくる。だからその中でいかにしてそれを受け止めて、自分達だけで楽しむか、という事に主眼を置くことになる。間違っても自分達以外に自分らの文化を発信したり、他国を自分らの文化で乗っ取ろうなどとは考えない。また、入ってくる他文化をはねつけてやろうだとかそういうことは一切考えない。必ず受け止めなければならないといった一種の脅迫めいた概念を持ち合わせてもいる。

 よく島国根性と田舎っぺ根性を間違える人がいるが、田舎っぺ根性と島国根性は対極にある。田舎っぺ根性とは、自分達の文化が世界の共通文化だと考えていることである。また、村八部や閉鎖的というものを島国根性だと解釈している輩もいるが、大陸でも田舎っぺは閉鎖的である。

例えば

クソ熱い亜熱帯でスーツを着てるヨーロピアン
どこでもタバコを吸って地面にゴミを投げ捨てる中国人
空港のソファーを自分のベッドのように扱うアラブ人

 こういうのは田舎っぺ精神である。外国で得意げにアメリカンイングリッシュを捲くし立てていたり、アメリカ式の朝食を要求し、用意できないと怒りだすアメリカ人もまた、典型的な田舎っぺ根性丸出しの人種であると言える。ひどいのになると日本って車で何時間?などと聞いてくる有様である。世界一カッペなのはアメリカ人で間違いない。

 話が横道にそれた。では島国根性ムキ出しの例をいくつか紹介しよう。

宝塚劇団
なぜか外人役が日本の役者で演じられるドラマや映画
なんかよくわからない捻じ曲げられた西欧解釈をしているアニメやゲームの中世西欧世界観
サイゼリアのミラノ風ドリアなど、あくまで本場(風)を謳っている食品

このように、いわゆる手前味噌で歪んだ外国文化を吸収する姿こそが島国根性なのだ。これらの例に見られるように、外国人に対する配慮など全くしていないのが島国根性の特徴である。

本場で修業した「日本人」のシェフのレストランが繁盛し、正真正銘本場出身の「外国人」のレストランがウケない。この一言に島国根性のすべてが詰まっている。食品で思い出したがピザハットなどのデリバリーピザはイギリス発祥である。あれも実は、「イタリアのピザ風なイギリスの食べ物」であって、島国根性の表れの代表例である。カレーライスや紅茶も同様の発想である。

 面白い事にブリティッシュも典型的島国根性の持ち主である。そのブリティッシュが新大陸というデカい土地を確保したのがアメリカである。映画「トロイ」で金髪碧眼のブラッドピットがギリシャ人のアキレウス役を演じていたのを見た時、ブリティッシュであるショーンコネリーがロシアの提督役やベルベル人のスルタン役をやっていたのを見た時、この内田貴洋はハリウッド文化が島国根性から脱却しきっていない事を確信した。だが、ここでひとつ考えてもらいたい。

 ブリティッシュは島国根性があったからこそ、大英帝国として世界に冠することが出来たのではないのか。大英帝国と争った列強は数多いが、大英帝国ほどその統治はうまくいっていない。大英帝国は占領地に総督を置き、その土地の習慣や土着の貴族等を巧みに利用してスマートな支配を行ったからこそあれだけの栄華を築くことが出来たのである。なぜ大英帝国がそのような占領地政策をとったかというと、彼らは島国根性があったからである。決して自分達と土着の貴族を混ぜることがなく、また、自分達の文化を押し付けることもしなかった。ただひたすらに自分達だけで楽しむことしか考えなかったのである。土着の習慣を狡猾に利用するやり方はまさに島国根性のもたらした観察眼の結果と言うことが出来よう。

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