内田貴洋王国は人間の人間による人間のための国である。よって人間に不快な生物は撲滅させる。

 まずは蚊である。こいつは楽勝でクリア出来る問題だ。何故なら蚊はもともと草の汁を吸って生きている生物だからである。俺王国お得意の遺伝子操作を行った蚊を放ちまくり、再び草の汁しか吸えない生物に戻してしまう。これなら生態系が破壊される事もない。

 続いてハエである。こいつは雑食性なのが厄介だ。しかし成虫は液体しか食べることが出来ない。ここに注目する。ここでも遺伝子改造を施したある特定の液体を好んで食べるハエを作り出し、その特定の液体には毒を仕込んでおく。ハエはその存在そのものが許されない。羽音が不快だからである。遺伝子改造ハエはド派手な色にしておき、毎月放流される。
 ハエについては人間側の環境設備も大事である。とにかくゴミと液体を混ぜないようにする事である。また家畜のトイレ環境整備も課題となる。

 最後にゴキブリである。こいつは本当に難しい。何もかも食べる上に交易しているとすぐに船場の倉庫などに巣を作って増えてしまう。いくら駆除しても次から次へと新しい奴らがやってくる。
 ゴキブリについてはその繁殖方法に注目する。ゴキブリはメスがフェロモンを出し、オスの大群がそれを追いかけてメスの前に回りこみ、自分のフェロモンの匂いを嗅がせて合意して初めて交尾成立となる。つまり足の速い奴がメスをゲットできるので性淘汰はスピードに大きく傾いている。
かなり複雑な遺伝子操作が必要だが、この時オス同士が争って殺しあうようにしてしまえば、スピードよりタフネスを持った個体が性淘汰で生き残るようになるため、徐々にゴキブリの性質そのものが変化していく。これを繰り返していけばゴキブリ自体がシデムシのようなものへと変化していくので人間が不快に感じることもなくなる。

尚すべての遺伝子改造固体はフェロモンの量を20倍以上に増やしておく。また国境は砂漠の不毛地帯にしておく。以上内田貴洋の完璧なる王国への野望。

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