POSOという動画を見た。
ポソ紛争の動画だ。

ポソ紛争とは、インドネシア中部スラウェシ州北東沿岸部の主要な港であり交通の中心であるポソで1998年末から2001年の末までに起こった宗教戦争の事である。

 この動画は兵士の死体に始まり、続いて殺された子供達、生首を持って喜ぶ兵士、そして刀で一人の市民をリンチする様子が写されている。バガボンドの世界を地でいっている。この世の地獄だ。

 私は動画についてるコメントが軒並み「宗教って恐ろしい」というステレオタイプな事に驚いた。宗教というもの自体は平和のために作られているものだ。よって宗教を信じ込むことによってこのような残酷な事が平気で出来るようになる、という事はありえない。そもそも日本の戦国時代だってこのような感じであった。宗教って恐ろしい、の一言で終わらせてる奴は思考が停止している。

 私はこの紛争の残虐性を以下のように分析している。

1 住民に根深く残る憎しみ

 まあそのまんま憎しみである。宗教対立だけでこんなにまで憎しみを抱くことはない。キリスト教徒とイスラム教徒の友達が仲良く神について議論するなんてのはよくある事だ。おそらくこの憎しみの正体は宗教ではなく他の恨み事であろう。

2 復讐への恐怖

 中華文明圏でよく見られる事だが、親を殺したら子が復讐に来る。よって禍根を断つ、という発想だ。それほど抗争が泥沼化している、という事であろう。

3 殺しを行った人間達の無垢さ

 これが最大の原因であると思われる。人間とは生まれつきひどく残酷なものだ。実際、対ゲリラ戦などで徹底して行われることは、武器を持った子供から先に殺すことである。武器を持った子供は何のためらいもなく撃ってくるからだ。

 さてこのポソ宗教戦争についてもう少し詳しく調べたところ、驚きの事実が発覚した。

http://blog.livedoor.jp/osinoue/archives/2005-08.html
より引用

・ポソのメインストリートは、中央市場前のせいぜい20-30軒からなる商店街と、県知事庁舎や県議会議事堂のあるいわば官庁通りの2本だけである。ほかには何もない。宿屋もホテルと呼ぶほどのものはなく、安宿が2-3軒あるだけである。

・実際、ポソ紛争は工作あるいは扇動による可能性がかなり高い。その理由は次の通りである。一つは、紛争の初期においては異教徒宅や宗教施設への放火などが中心であったが、次第に銃が出回りはじめたことである。しかもそれらの銃は陸軍兵器工場(PT Pindad)で作られたものである。

・ところで、ポソ紛争の初期においては、イスラム急進派のラスカル・ジハードの部隊がイスラム教徒支援のために潜入し紛争を煽ったようだが、意外にもキリスト教徒の側は、ラスカル・ジハードをあまり恨んではいない。「ラスカル・ジハードには、子供や老人を傷つけてはならないという掟がある」というのが、その理由である。

 これらの事から、ポソ宗教戦争は武器商人が自分達の私腹を肥やすためだけに、日本で言ったら日本海側のさびれた漁村程度のクソ田舎の無垢で無知な民を煽って起こしたただのマネーゲームであるという事実が見えてくる。ここで言う武器商人とは、インドネシア陸軍である。そういえば東ティモールもマルクも・・・と考えると恐ろしい。

 権力者の欲望によって、人々が踊らされ、争う。無知で無教養であればあるほど抗争は激化し、泥沼の紛争が起きる。ルワンダ内戦、シエラレオネ内戦、ソマリア紛争、抗争が泥沼化している地域はいずれも武器商人の影が見える。そしていずれも、住民は無知で無教養である。

 格差という火種がある場所の無知で無教養な民に、武器と何かの言い訳を与えてやる。ポソの場合は宗教という言い訳だ。たったそれだけで民は暴走する。いや、暴走という単語は正しくない。彼らは自分の欲に忠実に動くだけだ。この紛争には人間の欲しかない。紛争を煽る側も、煽られる側も、皆が欲まみれになって動いている。私が動画で覚えた不快感の正体はこれだ。ひたすら欲むき出しで気持ち悪いのだ。

 人間の本質は残酷で残虐なのである。教育によってそれが是正される。思えば日本はよくあの地獄のような戦国時代から、ここまで軌道修正できたものだ。とはいえ、ポソ紛争の犠牲者は1000人。日本の自殺者は年間3万人。堕胎数は・・・

 戦争の本質が、増えすぎた人口の淘汰であるならば、現代日本の我々の戦争のほうが規模では大きいとも言える。ただそのスピードが速いか遅いかの違いしかない。

 と、まあいろいろ考えさせられる動画であった。

http://www.veoh.com/browse/videos/category/faith_and_spirituality/watch/v1184685RPeBcPDQ
そういえばこの動画、途中からクルァーンっぽい歌がかかっているが、製作者の悪意を感じる。明らかなるイスラームのネガティブキャンペーンだ。

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