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2、トラップ編

 トラップの解説を始める前に少しゴキブリの生態について説明しておこう。まず、ゴキブリという昆虫はもともと森林にいた昆虫である。貿易が始まる前までは東南アジアのみに生息しており、貿易の開始と共に日本、そして世界各国へ広がったようだ。元が熱帯雨林の昆虫なのだから当然高温多湿の環境を好む。そしてヤツらは雑食性の昆虫である。雑食性の昆虫に思考などほぼ存在しない。(肉食であろうとなんだろうと昆虫は皆馬鹿であるが。)また、彼らは熱帯雨林においては圧倒的弱者である。常に捕食される存在である。であるからして、ゴキブリの行動原理には常に安全を確保しながら行動するという本能が備わっている。

 熱帯雨林で何の武器もないゴキブリが身の安全を確保する戦術、それは、隠れることである。つまりゴキブリは常に隠れながら移動する。これはゴキブリが思考しているのではなく、そのように本能がプログラムされているからである。ゴキブリは脚以外の身体の一部が何か物体に触れていないと生理的に駄目なのである。だから彼らが移動する際には必ず物に沿って移動する。このへんのことは次回も触れる。

 以上をまとめると、ゴキブリは高温多湿の環境を好み、壁や物沿いに移動し、思考も何もなくただそこにある食べ物を食べる生き物だということである。尚、ゴキブリは8割がたの情報を触覚に依存しており、目は明暗を確認している程度である。

 

 と、なると自ずとトラップを仕掛ける場所もわかってくるだろう。ずばり高温多湿で物沿いの位置である。ゴキブリに学習能力があるなんていうデマがあったり、危険と判断したらもうそこには寄り付かないなどというデマまであるがそんなことはない。ゴキブリは思考などしていない。ただ、触覚で確認して「食べれる、食べれない、危険」といった刹那的な判断を繰り返しているだけだ。よってトラップの位置をいちいち変えたりする必要はない。

では以下にトラップを解説していく。

A粘着シート型
B毒系
Cコップ

A粘着シート型

 ごきぶりホイホイでおなじみのシート型である。メリットとしてはゴキブリの確実な死が確認できることである。精神的な安堵感を生み出してくれるのだ。
デメリットとしては反対にゴキブリを呼び寄せてしまう可能性があること。特に集合住宅ではこの傾向がある。
設置は矢張りトラップの鉄則を守り、物沿い、壁沿いに設置すること。
いくつかのメーカーからシートタイプが出ているがごきぶりホイホイに勝てるものはない。ごきぶりホイホイはゴキブリの入り口がひときわ高くなっており、ゴキブリの触覚が粘着シートに触れにくいように設計されている。このためゴキブリは粘着シートに滑り落ちてから初めて危険を察知する。と、同時にパニックに陥り、暴れまわって手足を動かす。ゴキブリは手足を動かすと自然と前進するようになっており、足がもげながらも粘着シート上で前進しているのはこのためである。

B毒系

 ホウ酸団子やコンバットといったものがこれに該当する。これもトラップの鉄則に従って、壁際、物際に配置する。メリットとしては、ゴキブリは巣に帰ると自分の糞を仲間に食わせる習性があるため、巣にいるゴキブリ全部を殲滅できるということである。まるで細菌兵器のようである。デメリットとしては効果が確認しにくい、飲食店の場合変なところで死なれては困るといったところであろう。
各自の判断に委ねたい。

Cコップ

 私が使っていたあのトラップである。効果ははっきり言ってすさまじい。だがこれも近隣のゴキブリを呼び寄せてしまうデメリットがあるのと、ゴキブリが生きたまま捕獲されるのでゴキブリが動いているのを見たくない人にはつらいだろう。また、餌をこまめに揃えなければならないのと、その餌自体の匂いがキツいのが難点である。

番外ー生物兵器

 究極のゴキブリ対策、それは生物兵器である。動物の糞さえ気にならなければ、一番有効で一番安全なゴキブリ対策となる。

 私が勤めていた店はある時期を境に他の店とも提携を始めたのだが、その店では一切ゴキブリが出なかった。聞くところによるとヒョウモントカゲモドキという熱帯性のヤモリ(すげーカラフル)を店内に3匹ほど放しているらしい。熱帯性のヤモリなので当然暖かい店内から脱走することはない。このヤモリがゴキブリを食いまくるので、ゴキブリが出ないというわけである。が、これは年中暖かい熱帯魚屋だからできたことでもある。そうでない所で生物兵器を使用するならば、当然熱帯性の生き物では駄目だし、使い捨てを覚悟するか、脱走防止の工夫をしなければならない。そこで以下に3つの例をあげた。

1、ヤモリ使い捨て

 普通にヤモリを飼うのである。もちろん放し飼い。生物兵器は放し飼いにしなければ効果はない。だがしかし、一般家庭のゴキブリの量などたかが知れている。おそらく1週間で食い尽くし、他の場所へ行ってしまうだろう。ヤモリの場合、脱走を防止する手段はない。

2、アマガエルもしくはカジカガエル

 これは脱走防止としてカエルが水場から離れないという習性を利用するものである。水槽やプラケースに水を張り、半ば放し飼い状態にする。アマガエルの場合、大ゴキには歯が立たないかもしれないが、ショウジョウバエを食べるのでその対策にもなって大変よろしいと思われる。
だがしかし、カエルも馬鹿なので排水口に突っ込んで死んだり、道に迷って干からびたりしてあまり長生きはできないであろう。使い捨てよりは若干長持ちするという程度の認識にとどめておきたい。

3、アシダカグモ

 これはゴキブリ専食のクモである。見た目は相当グロい。このクモがいる家は相当ゴキブリがいるということである。現在販売している業者はないので自分で捕まえるしかない。アシダカグモは昆虫なので小食であり、かなりの絶食にも耐えられる。つまりほっといてもいいということである。脱走はしない。だが反対に小食が故に効果は薄い。少なくともゴキブリを殲滅するとまではいかないようだ。

以上、トラップ編。
次回いよいよゴキブリ退治の花形、出会い頭編

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