» 2006 » 8月 » 11のブログ記事

 

いよいよ最終章!直接対決である。

3、出会い頭戦

 前章と同じく、最初にゴキブリの生態について触れておこう。ゴキブリは触覚や尾角によって空気の流れを感知する。聴覚に該当するものであるが、振動なども感知するので少し違う。また、ゴキブリは感覚の80%程度を触覚に頼っている。つまり触覚を使わないと認知ということができない。よって、触覚を使っていない状況では思考というものができていないのである。

 我々がゴキブリに出会うと、ゴキブリは動きを止める。これは森林の生物の特徴なのだが、森林の生物は基本的に動かなければ周囲の背景に溶け込み、敵に発見されることがない。だから彼らは外敵を発見すると動きを止める。攻撃されていない限り、まだ発見されていないと思い込んでいるのだ。蛇に睨まれたカエルが動かないのもこういう原理なわけである。

 次にゴキブリがとる行動はダッシュである。我々のモーションを感じるか、あるいは攻撃を受けた時からかは固体による。この時、ゴキブリは完全にパニックに陥っている。パニックに陥ったゴキブリは本能でしか動けない。前章で説明した通り、身体を物にくっつけようとする。明るい場所ではなくて暗い場所へと移動しようとする。これらは思考ではなく完全に本能である。その証拠に、我々が道路のど真ん中でゴキブリに会う時、彼らは我々へとダッシュしてくる。外敵である我々に向かってだ。更に靴を少し浮かせてやるとその中にもぐりこんで来る。もしも思考が出来ているならば外敵にわざわざ身を預けたりはしない。ゴキブリがダッシュする時、それはパニックに陥って本能のまま手足を動かしている瞬間なのだ。

 同時に、ゴキブリは走れば走るほどパニックが加速する。なぜならダッシュしている瞬間、触覚は使えないからだ。ダッシュしているゴキブリがひっくり返りまくったりして意味不明な行動をとるのはこのせいである。

 反対にゴキブリがゆっくり歩いている時、ゴキブリは思考が出来ている。(といっても限りなく刹那的短絡的思考)触角を振り回して周囲の状況を認知し、行動に反映させる。逆に考えると触覚を振り回していないゴキブリはもう思考を停止させていると考えてよろしい。つまり、出会い頭のあの瞬間である。この状況は、ほぼ8割がたこちらが勝てる状況である。
しかし触覚を動かしている状況では歩いてのそのそと物陰に逃げられる可能性が高い。

 このようなゴキブリの性質がわかれば、出会い頭の戦闘も楽勝である。基本はとにかくゴキブリをパニックにさせる→パニックを加速させる→誘導→死、である。パニックに陥ったゴキブリは物伝いに移動、明より暗に必ず移動しようとする。この性質を利用してあらかじめゴキブリルートを読んでおくのだ。そこに先手を打てば誘導は簡単である。

使用武器により誘導の手段は少しづつ変わる。では続いて武器についての解説をしよう。

A直接打撃系
B噴射系
C洗剤

尚、すべての兵器に共通することだが、初弾は必ず当てること。当てなければ目標をパニックに陥れることが出来ず、目標をロストしてしまうのは必須である。

A直接打撃系

 もしこれが使える状況であるならばこれが一番良い。押しも押されもせぬ最強の兵器である。スリッパ、ハエタタキなどいろいろあるが私は新聞紙をオススメしたい。新聞紙は長いリーチと状況に合わせた変形、しなりを利用した素早い初速、さらには自身を誘導媒体に使えるというこれでもかというくらいコンテンツ盛りだくさんのマルチ兵器である。

 ゴキブリが壁にくっついている場合は落ちることも計算にいれてなるべく上からスイングすること。また、隙間などがそばにない場合は新聞紙自体を筒にしてゴキブリのそばに置く。パニックになったゴキブリは簡単に新聞紙の中に入ってくるのでそのまま潰して殺す。

 ゴキブリの内臓がくっついてしまっては困る場合や壊れ物のそば、流しなど使用できない状況でない限りは直接打撃系が最も効果的である。相手はたいてい一撃で死ぬ。皆さんには是非直接打撃系で戦っていただきたい。ちなみに私は熱帯魚屋で叩き殺したゴキブリの内臓の残骸を複数のゴキブリが舐め取っているのを見てからトラウマになり、直接打撃系はなるべく使用しないようにしている。ま、飛び散った内臓を拭けばいいんですがね。

B噴射系

 市販の殺虫剤の場合ゴキジェット以外は糞である。他のははっきり言って使えない。ゴキジェットは神経系に作用し、すさまじい殺傷力を誇る。3秒当てることが出来れば確実に仕留めるところまで持っていける。ちなみにゴキブリも他の昆虫と同じく、背中側は耐性が高く腹側は弱い。だからなるべく腹側に当たるように、横から噴射するのがポイントである。ガス圧が強すぎて吹っ飛んでしまうが、これを逆に利用して逃げられては困る方向から噴射すると良い。また、壁にいるゴキブリに対しては落ちることを計算して斜め下から落下方向へとなでるように噴射する。ただしゴキジェットは人体にも有害なため、風呂場や台所では使えない。

 また、車やバイクに乗る人は誰でも知っているブレーキクリーナーというものがある。これは脱脂洗浄剤で、油を吹き飛ばす作用がある。ゴキブリは気門付近を油でコーティングしており、この油のコーティングが取れてしまうと自分の毛で窒息死してしまう。気門は他の昆虫と同じく腹部に存在する。ブレーキクリーナーでは当然腹部を狙う。5秒も当てることが出来れば確実に殺せる。だがしかし窒息するまでにタイムラグがあるので、当ててからすぐ死ぬというわけではない。ブレーキクリーナーは勝手に蒸発するので後始末が大変楽である。

 最後に変り種としてヘアスプレーを紹介しておきたい。スーパーハードHGなどに代表される超強力セットスプレーである。これはゴキブリを瞬時に固めることが出来る。初弾が当たればそのまま勝ちである。後始末がめんどくさいが・・・

C洗剤

 台所用中性洗剤が有名である。界面活性剤の力によって油を分解し、ブレーキクリーナーの例と同じくゴキブリを窒息させる。洗剤の場合腹部を確実に洗剤の海に浸からせないと殺すことは出来ない。よって原則は大量発射である。
界面活性剤の量は台所用のジョイが40%とトップクラスであり、他のは5~20%とあまり役に立たない。
バスマジックリンなどは噴射機能が使えるが、腹部を洗剤で満たさないと殺すことが出来ないので兵器としては役に立たない。洗剤は数少ない台所、風呂場で使える兵器なので、常に生活用とは別にゴキブリ用を常備しておきたい。

 最後にあまり一般的ではないが、シンナー等の有機溶剤系を挙げておく。ラッカーなどの塗料でも良い。これをぶっかければまさに瞬殺が可能な恐ろしい兵器である、が、自分自身が誘惑に負けてしまう恐れもある。また、かけた場所の塗装がはがれたり、反対に塗料で色がついてしまったりするため、なかなか使う場所は限られてしまうだろう。 

☆もしも目標をロストしたら・・・・・

初弾を当てているならばあわてることはない。ゴキブリはパニックの極致に陥っている。こんなときは落ち着いて音を聞こう。ゴキブリの足音が聞こえるはずだ。足音が聞こえたら、ロスト地点から物伝いの位置を確認する。壁、地を這うケーブル、足音の方向に従えば必ずやゴキブリは見つかるはずだ。

 初弾を外していた場合、もうこれはゴキブリホイホイでも仕掛けて祈りながら寝るしかない。

 後のことは僕は知らない。

カレンダー

2006年8月
« 5月   11月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ページ